サブカルスパーク

触れられたのだ、私の琴線に。

30過ぎて好きな漫画家がまた一人増えた

ピコピコ少年だった僕やそこのアナタへ

おすすめ度:★★★★★ファミコン世代なら)

思い出した。ACアダプターは僕にとって生命線だったってことに

著者、押切蓮介は僕とちょうど同い年。ピコピコ少年シリーズの作中に出てくる主人公はまるで僕自身だ。そう、僕もファミリーコンピューターに狂わされた人間の一人なのだ。家は決して裕福ではない、欲しいゲームソフトのためなら持てる知恵の全て注いでダダもこねた、勉強の成績も欲しいゲームのためだけに努力した。ゲームの中古屋で経済のシステムを学んだ。ただしその麻薬のような中毒性も、ゲームの作り手になってみようと思い始めた歳頃になってどんどん薄れ揺らぎ、とうとう僕は30間近になってその魔法から解き放たれ、ゲームをしなくなった。

そういや母ちゃんはどんなゲーム画面もファミコン呼ばわりしてたっけ

僕を含め、怠惰な人間を作る要因としてゲームはある。限りある時間を奪う。それでもゲームは悪ではないと思う。願う。あの日あの時、あの瞬間はあのゲームをやっていて本当に楽しかった、幸せだった。その気持があったということを思い出させてくれた、どんな漫画よりもリアリティのある作品に僕は出会ってしまったのだ。

ピコピコ少年

ピコピコ少年